他界した母は収集癖があったようで、私が把握できないものがまだまだ実家に眠っています。彼女は50代半ばで子宮がんになってから72歳で他界。初めてがんにかかってから十数年の間に5回手術をしたけれど、亡くなる1年前まで看護師をしながら元気に働いていたのです。母はおそらく、素敵なものを所有していることに喜びを感じるタイプだったのではないかなぁ・・・彼女が生きてた時には見かけなかったチョット良いのもが、時々ひょっこり出てくるのです。
お金の使い方は人それぞれ
音楽、お酒、美味しいもの、旅行などなど・・・ついつい体験にお金をかけてしまう私とは違い、形に残るものにお金をかけていた母。
コレクションが増えるたびに私に言い訳するように「ちゃんとあなたに残すんだからね」と、ニコニコしながら箱に入れてしまっていたのを思い出します。
いやいや、買ったらちゃんと使いなよ!箱に入れたら、絶対使わないじゃん!と私は思っていたのですが、良いものが家にあるというのが、母にとっては幸せだったのでしょう。
若かった私は「こんなもん、残されてもなぁ・・・趣味じゃないし」などと思ってました。かーさん、ごめん。
でも、残してくれて嬉しかったものも、ちゃんとあるよ。かーさんありがとう。
素敵なものが戸棚にあった
年末の大掃除で、食器棚にちょっと良い感じのティーカップを見つけました。裏を見たらWEDGWOODと書いてある。戴き物かもしれないのですが、使用感ほぼなしのカップ。ググってみたら廃盤になっているようですが、中古でも4000~7000円で売られている。
お!メルカリで売るか・・・
売ったら小金になるかも⁉︎なんて一瞬思ってしまったのですが、いや、これは私が普段使いしていこうと決めたのです。
いつものお茶を良いカップで飲む
最近、私はお茶にハマってまして、HOJO TEAさんというなかなかマニアックなお茶屋さんで良いお茶を買い求めて飲んでいるのです。でも、マグカップで飲んでいた・・・。お酒はグラスや酒器で味わいが変わることを知っているのですが、お茶に関しては無頓着でした。
そんなこんなで今日は土曜日ですし、ウエッジウッドでお茶を飲んでみると・・・
高いカップやっぱりすごい。全然違う!
あぁ、やっぱり器にもこだわると幸せ度が全く違うのです。器の薄さも、綺麗な白に映えるお茶の色も、器を傾けた時に漂う香りも、マグカップとは全然違う!!
かーさん、カップはしまってないで、使おうよ!
そんなこんなで、これからは休みの日は良いカップでお茶を楽しもうと思ったのでした。
誰かに残すことができることこそ豊かさなのかもしれない
家の事情で中学卒業後に家を出た母。頭が良かったのに、高校へは行かずに16歳から働きながら看護師になった母。彼女の人生を思うと、私と全く性格が違ったのはとても納得できるのです。
若い頃は「なんで私の気持ちをわかってくれないんだろう?」とばかり思っていましたが、今になってようやく彼女の気持ちも理解できるようになりました。そして「かーさん、ほんと偉かったなぁ・・・」と思うのです。
「豊」という字が入った彼女の名前。彼女は生きてる間に豊かさを満喫することができたかな?色々ありましたが、晩年は楽しそうだったからな。もうちょっと長生きして欲しかったけどね。。
彼女が残してくれた物のおかげで、私は豊かな生活を送ることができているんです。本当にありがたい。
残されたものが幸せに生きることが、亡くなった方への供養とも言いますので、これからも私は日常の豊かさを追い求めていきますよ。
ということで、私はウエッジウッドを日常使いすることにしたのです。これを引き継いでくれる人を、私は見つけることが出来るかな・・・。
とにかく、かーさん、ありがとう!!
スポンサーリンク